2014年04月11日高野文子 『黄色い本 ジャック・チボーという名の友人』

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学生に勧める本を選んで欲しいと言われて最初に思いついたのは『旅のラゴス』、2冊目はこの本でした。僕の個人ブログの方を読まれている方は、僕が高野文子さんの作品にどっぷりはまっていた時期を覚えているかも知れない。この本に対する思い入れも。

是非、普段本を読まないで漫画を読んでいる学生は、(きかっけは何かの間違いでいいので)手にとって欲しいと思います。最初は何が書かれているか分からなくても、読めば読むほど新しい発見のある、不思議な作品だし、ここから本を読む面白さを知って貰えたら僕は嬉しい。

今日、図書館に寄贈する分が届いて、読み返しました。新鮮だったのは、自分がトーチャンの立場で作品に参加していたこと。トーチャンは、子供が本を読んだ方がいいと思っている。でも、自分自身はおそらく本を読んでいないし、子供に読み聞かせる絵本の字も読めないものがあるようだ。でも、トーチャンは、本を通じて子供が成長することを願っている。トーチャンと主人公の実地子との会話を引用します。

「どうだ おめえの歳で そこまで編み機を賢せる者は居ねだろ」
「あったりまえさぁ」
「おめが将来 どこに勤めることになるだか 俺はわからねども
 おめでねば 編めねえような セーターを編む人に
 なればいいがな と
 俺は
 思うんだ」
「創造性のある?」
「おう」
「そうだね」


自分の子供がどのような仕事に就くかわからないが、その仕事が彼や彼女自身でなければ成し遂げられないようなものであることを、親は願っているもの。その親心も10年前の自分は見えていなかったのだと考えました。