2014年12月7日本の読み方は人それぞれな講義日記

桃太郎でもドラゴンボールでも何でもよいけれど、読者はだれに感情移入して読むのだろうか? という疑問が昔からあった。明らかにクラスの中でガキ大将的な男の子がドラえもんを読んだら、だれにシンパシーを感じるのだろう? 答えは「そこまで考えて読まない」であろうことは分かっていながらも、「主人公とはだれのことか?」という、昔から自分が抱えている問題意識と絡めて、気になることだった。

先週のライフデザイン演習は、「読書の楽しさを広めたい」というテーマの下、強めの暖房でポカポカした教室で、コーヒーを飲みながら短編小説をみんなで読んでみた。参加した学生は楽しめたかはわからないけれど、僕個人としては、読後に書かれていた感想を読むことができて面白かった。感想は僕からの問いかけの形で、登場人物のリスト、主人公はだれか、自分はこの登場人物の中でだれか、登場人物に物語で生じた変化を書いてもらったのだけど、答えはみなバラバラ。主人公とみなした人物と自分自身が当てはまる人物もバラバラだった。最初にこの問いかけを渡していたこともあるかもしれないけど、ゼミ生がしっかり読んでいたことが伝わる回答ばかりだった。「自分はこの物語の中にいない」という答えもあった。

この問いかけには答えはないので(テキストの解釈は読者それぞれのものなので)、あまり押し付けるつもりはないものの…。映画や漫画や小説や多くのストーリーを咀嚼しながら、自分なりの主人公感を自分の中に生み出して、それと自分を比べながら成長してもらえたら、いいなー、なんて思ったり思わなかったりする。

あと、登場人物のリストの中に、たった1行しか触れられていない「女房」を含めることができた人は、モテる奴であろうなぁ、と感心したのでした。