神谷美恵子『生きがいについて』p. 73

自己実現への意欲が強いひとでも、もし人格がうまく統一されておらず、全く異質的な自我の欲求が二つまたはそれ以上、そのひとの自我の中心部に共存するようなときにはどうなるのであろう。ひとによっては自己に対して相当暴力的な選択を行い、いくつかの芽をかりこんで、ただ一つだけをのこしておく。うまく行けばその切りすてられたものは完全に失われはしないで、のこされた芽の成長になんらかの意味で清、かえって大きな実を結ばせることになる。レオナルド・ダ・ヴィンチやゲーテのような多才の巨人ならともかく、ふつうのいとでは、どの芽ものばしておけば単なる藪になるにすぎないであろうから、これはたしかに生き方の知恵といえる。
しかしまたひとによっては生き方を無理に統一しようとしないで、生活のなかに二つまたはそれ以上の自己を併立させて行く方針をとることもある。たとえば森鴎外や木下杢太郎のように医学と文学の二本立てで生きたひともある。認識の人と審美の人と、そのどちらの自己をも発揮しなければ生きがいが感じられなかったのであろう。あるいはむしろ、どちらかというと「本職」でないもののほうが単に「したくてする生きた挙動」であるだけに、よけい生きがいを感じたのであったかも知れない。あるいは二つの異なった活動が互いに生きがい感を強め合っていたかもしれない。

2018年08月10日    quote, research

アートマン(Atman)は、「意識の最も深い内側にある個の根源」という意味。ヴェーダの宗教で使われる用語。Artmanではない。さまざまな用品・サービスを通じて自己実現のお手伝いをするというのがショップコンセプト。

http://ja.m.wikipedia.org/wiki/京王アートマン

2014年07月20日    quote
2014年07月13日    quote

God, give me grace to accept with serenity
the things that cannot be changed,
Courage to change the things
which should be changed,
and the Wisdom to distinguish
the one from the other.

2014年07月11日    quote