神谷美恵子『生きがいについて』p. 73

自己実現への意欲が強いひとでも、もし人格がうまく統一されておらず、全く異質的な自我の欲求が二つまたはそれ以上、そのひとの自我の中心部に共存するようなときにはどうなるのであろう。ひとによっては自己に対して相当暴力的な選択を行い、いくつかの芽をかりこんで、ただ一つだけをのこしておく。うまく行けばその切りすてられたものは完全に失われはしないで、のこされた芽の成長になんらかの意味で清、かえって大きな実を結ばせることになる。レオナルド・ダ・ヴィンチやゲーテのような多才の巨人ならともかく、ふつうのいとでは、どの芽ものばしておけば単なる藪になるにすぎないであろうから、これはたしかに生き方の知恵といえる。
しかしまたひとによっては生き方を無理に統一しようとしないで、生活のなかに二つまたはそれ以上の自己を併立させて行く方針をとることもある。たとえば森鴎外や木下杢太郎のように医学と文学の二本立てで生きたひともある。認識の人と審美の人と、そのどちらの自己をも発揮しなければ生きがいが感じられなかったのであろう。あるいはむしろ、どちらかというと「本職」でないもののほうが単に「したくてする生きた挙動」であるだけに、よけい生きがいを感じたのであったかも知れない。あるいは二つの異なった活動が互いに生きがい感を強め合っていたかもしれない。

2018年08月10日    quote, research

intention



desirable choice



fear



high status



capability



opportunity in the area

2015年07月16日    research

http://ftp.iza.org/dp8679.pdf

人のことを言えた義理ではないけど、研究は自由だと感じさせる。結果を見ると、ネットユーザー結婚してなさすぎに驚く。日本だとJGSSでできるかな?

Substitutes for marital sexual gratification may impact the decision to marry. Proliferation of the Internet has made pornography an increasingly low-cost substitute. We investigate the effect of Internet usage, and of pornography consumption specifically, on the marital status of young men. We show that increased Internet usage is negatively associated with marriage formation. Pornography consumption specifically has an even stronger effect. Instrumental variables and a number of robustness checks suggest that the effect is causal.

夫婦間の性的満足に代替するものが、結婚の選択に影響をあたえているようだ。インターネットの普及は低いコストで代替されるポルノを拡大させており、この研究では、インターネットの利用、特に、ポルノへの消費が婚姻の形成に与える影響を分析している。(インターネットの利用の中でも)ポルノの消費は特に(婚姻に与える負の)効果が強く、因果関係を考慮するために行った操作変数や頑健性のチェックでも、この結果は覆らなかった。

2014年12月5日    research