ここ2週間の講義は終わった後の一人反省会が多かった。(一人反省会というと、大学の学部生だったころ、飲めないお酒を飲んだ後の帰り道は「なんであんなことを言ったのだろう」とか「はしゃぎすぎてしまった」とモヤモヤしながら渋谷から三軒茶屋まで歩いて帰っていた。それが今も続いているのだ。)でも、一人反省会も、それなりに爪痕も残せるかもしれない(し、ただ気持ちが落ち込むだけかもしれない)。

  • 慌てない。慌ててもリセットする。数式の間違い、英単語が出てこない、等々。ミスした瞬間に気を取り直す。
    (そんなことできるか)
  • 準備をする。準備をしておくと、パワーポイントが映らなくてもなんとかなる、というか、なった。
  • 余計なことは教えない。教科書は無駄に知識を必要とすることを挟んでいる。それを削ぐ。
  • 褒めすぎず、注意しすぎない。
  • 湿気ててもイライラしない。
  • ちゃんと睡眠をとること。

だんだん、日常生活を送るうえで大切なこと、のようになってきた。でも、生活の土台をしっかり築くことが、講義の成功確率を高める近道かもしれない。

2018年05月26日    diary, lecture



IMG_0486 from Atsushi Kawakami on Vimeo.

1000人越えの採点を終えて、夏休みに入っております。
帝京大学初年のころと比べて、明らかにレベルが上がっているように感じました。
あと1月ほど講義をすることは忘れて、
家族と研究とじっくり向き合う時間を過ごしたいと思います。

2017年08月22日    diary, lecture

多くの皆様には突然の連絡になってしまいましたが、昨日3月31日で帝京大学を退職し、本日4月1日より、東洋大学経済学部に異動します。

自分にとって、帝京大学は常勤のキャリアをスタートした場所で、学習院大学で担当したストラスブール引率を除けば、学生と直接向き合う最初の機会でした。息子の子育てと重なった時期でもあり、急な成長を求められる3年間だったように思います。

組織に所属して働くことが初めてで、自分自身の小ささを実感しながらも、同僚の教員や職員をはじめとして、人の縁に助けられました。ゼミ活動では、Facebookでもつながっている皆様にも本当に助けてもらいました。そして、本当に素晴らしい学生に会えたことが財産になっています。

今年度1年間は帝京大学で非常勤講師を務めることもあり、慌ただしくなりますが、白山のキャンパスで新しい研究室を準備しています。ぜひ、近くにお立ち寄りの際には、遊びに来てください。

これからも、どうぞよろしくお願いします。


2017年04月2日    diary, lecture

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研究室のある10号館が工事のため、後期の研究室は7号館9階研究室2になります。一週間で最も足取りの重い科目(研究室から行きにくい、という意味でね)「入門ミクロ経済学」の教室の真向かいです。水回りがなく、窓がなく、棚がないという生活が続きますが、部屋を出て見る景色は本当に素晴らしいです。


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特別警戒中ですが、よければ遊びに来てください。

2016年09月6日    diary, lecture

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5月に日本に来る留学生を面接するために上海・台湾・香港、8月に大学からの留学生の引率に北京・長春と出張が続いた。自分自身、大学時代は波風が立たぬように生きていようとひっそりと暮らしていたので、海外で学ぼうとする学生たちをみて、関心しきりだった。とはいえ、望まずに、一言も喋れない国に、仕事としていっているのだけど、その道中で得ている経験は、遅れてやってきた留学のように楽しんでいたりもする。

2016年09月5日    lecture

量的分析か質的分析かを考えようとすると、いつも思い出すことがある。

自分が大学院の進学を決めた4年時に、1学年下の後輩が就職が決まっている先輩たちに対してアンケート調査を実施した。その質問項目の中に「あなたは就職後の仕事にやりがいを感じると思いますか?」というものがあり、その回答者のうち、ただ1人しかNoと答えなかったことが話題になっていた。Noと答えた人に心当たりがあったことが非常に大きいのだけど、このことが今も自分の記憶に強く残っている。

アンケートの集計結果としては、「学習院大学の学生のほぼ全員が就職後の仕事にやりがいを感じている」というものとして公表される。でも、ひょっとしたら、その時にNoと答えた1人にこそ、大きな意味が隠されているかもしれない。その1人に話を聞くことで、僕たちは本当は知らないといけなかった何かを掴めたかもしれない(ような気がしたんだよね)。量的データから、全体の傾向、普通の関係を知ることができるが、それによって見落とされるかもしれない要素があることを意識しながら、分析しないといけないと思う。このことは同時に、担当する3年次の演習で、データ解析の前にヒアリング調査を最初にやろうと思った背景でもあったりする。

ちなみにそのアンケート、僕は「異常値になるといけないので…」と回答を拒否したのでした。

2016年02月21日    etc, lecture

試験を終えてから1週間以内に採点を終わらせないといけません。そのあとに追試験の答案が追加されて、今年は合計998枚の答案に丸付けをしました。これは、何年か続けている大学の講義で最多記録です。なんの自慢にもなりませんが。

でも、昨年よりも一昨年よりも採点はたのしかったです。理由は2つ。1つはすでに顔と名前を一致させることができる学生が多く受講していたこと。去年のライフデザイン演習、演習、今年の基礎演習、演習。彼(女)らがどのような答案を作るのか、楽しみに採点をしました(普段の講義の時間も、知っている学生がいることには強く勇気づけられておりました)。もう1つは、回答の最後に書いてもらったコメントを読むこと。コメントは大きく3種類に分けられました。講義の内容を褒めてくれるもの、問題点を指摘するもの、そして思い出を話してくれるもの(かっぱえびせんを食べている姿とか)。コメントのいくつかを後期の初回に紹介することでイントロダクションにしたいと考えています。

ごく稀ですが、「講義をがんばってください」と書いてくれている学生がいました。赤ペンをとめてその文面を読み返したのは、「頑張れ」という励ましに「頑張ろう」と本当に思ったことが初めてだったからかもしれません。たった一回のテストの一言かもしれないけど、そこで書かれていた言葉の効力は、将来の僕まで響くような気がします。ちょっとやそっとのことではへこたれられないな、と思ったのでした。

試験勉強をしっかりやった人も適当に臨んだ人も、自信のある人もない人も、お疲れさまでした。よい夏休みをお過ごしください。僕は、子供と遊びつつ、つかの間の研究生活に戻っております(今日は『マッドマックス』を観にいって頭がグワングワンしていますが…)。

2015年08月13日    diary, lecture